スムーズに更衣介助を進める方法

「準備」「実施」「整容」の三段階は、更衣介助をスムーズに進めるための望ましい手順である。
「準備」の段階では、利用者が安心して介助を受けられる環境を整えることが肝要だ。更衣を始める前は必ず利用者本人に声かけを行い、今から何をするのかを伝え、同意を得る。同時に、プライバシーを確保するためにカーテンやドアを閉め、室温が適切かを確認する。着替えやすいよう、事前に衣類を広げて袖や足を通す部分を把握しやすいように準備しておく。この丁寧な準備が、介助中の利用者の不安を軽減し、協力しやすい状況を作り出すのだ。

次に、更衣介助の「実施」の段階では、利用者の身体状況に細心の注意を払うことが重要だ。着脱の際は、麻痺がある側や痛みがある部位を考慮し、「脱健着患」の原則に従って行う。つまり、脱ぐ際は麻痺のない側(健側)から脱がせ、着る際は麻痺のある側(患側)から着せるという手順を踏む。
これは利用者にとって負担の少ない順番であり、着替えやすさを確保するための基本である。衣服の着脱時には、関節の可動域を超えて無理に引っ張ることなく、利用者が自分で動かせる部分は積極的に動かしてもらうように促し、残存機能を活かす視点を忘れてはならない。また、衣服が肌に擦れて傷つけないよう、肌を露出しすぎない配慮も必要である。
最後に「整容」の段階では、着替えが終わった後に服の前後やねじれ、シワがないかを確認し、整える。特に、背中や脇腹にシワが寄っていると床ずれの原因になるため注意が必要だ。そして、改めて利用者に「着替えが終わりました」と伝え、体調の変化がないかを確認する。